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ガンジス川イルカは まだイルカ?


共同通信、「ガンジス川沐浴危険」「糞便性大腸菌、基準値の23倍を検出」と、人間と牛が一緒に‘沐浴’している写真を添えてセンセーショナルに報じた。政府は警鐘を鳴らしているが、ヒンズー教信者の危機感は極めで薄いと嘆いている様だ。

汚染の原因は、流域人口の増加による「生活排水」「排泄物」や「工場廃液」の増加,「下水処理能力」は発生量の4分の1、従い、4分の3は川に「垂れ流し状態」である。川岸で火葬された遺灰は、木の燃えカスと一緒に川に流される。川で洗濯する者も多い。洗剤も汚染の原因となる。牛も川で水を浴びながら洗われている。衛生専門家は事実を事実として論じているが、ヒンズー教徒は「濁っていてもガンジス川の水は聖水、政府はガンジス川の事を全く理解していない」と聞く耳を持たない。相も変らぬ実情である。

35年ほど前、初めて整地バナラシ(ベナレス)を訪れた。町中が巡礼者、行者、葬式参列者、観光客、地元の土産売り等々でごった返していた。迷子も多い。子連れ家族でまとまって歩くには‘おぼつかない’混み様、狭い通路では牛が道をふさぎ、糞も落ちている。ゆっくり見物するには船が一番、多少多めに払い乗船した。上流から下流へゆっくり下る。火葬場、聖なる沐浴所、人、人、人、草で作った灯篭、花を摘んで流れて来る。そして、小さな白い布で包まれた物…、5歳以下で死んだ子供の遺体である。火葬は来世への旅立ち…。5歳以下で死んだ子供は火葬しない。可哀そうすぎるからだ。来世は望まない。来世でまた悲しませたくはないからだ…。川の水は灰色に濁っていた。


川の水は灰色濁っていた。そんな異様な光景の中、驚くべきものと遭遇した。ガンジス川イルカである。子供もビックリ仰天、清らかな水の川にのみ生息する「川イルカ」、こんな濁った川にもいるのか? それとも川の水は見かけとは違い清いのか? 兎に角、驚きであった。

川イルカ(淡水イルカ)、世界では4か所で棲息が確認されている。ガンジス川イルカ・インダス川イルカ…、場所は違うが、多分同種と言われている。確認された頭数は約2,000頭、絶滅危惧種である。その他に、アマゾン川イルカ、ラプラタ川イルカ、揚子江川イルカ、揚子江川イルカは10年ほど前に絶滅したらしい。だが、ガンジス川イルカが絶滅したという報道はない。多分、棲息しているのだろう。棲息しているとすれば、ガンジス川の水は、揚子江ほどには汚染されていないと言う事になる。

インド、衛生面・生活環境で問題が多い。決して清潔とは言えない。未だにトイレの無い家庭が50%を超す。大便後、水で流し左手で洗う習慣、カレーを手で食する習慣、飲料水も怖い。屋台の包丁、食器を洗う水も怖い。大腸菌だらけだろう。コレラ菌も赤痢菌も食中毒の原因となる菌も当たり前の様にそこら中にいる。川の水の大腸菌の数、多くて当たり前だろう。インド人は大腸菌に強いDNAを持っているのだろうか? インド料理、薬膳料理でもある。大腸菌に強く、大腸菌の免疫力を高める食材(香辛料)が使われているのだろう。

ガンジス川…、川の水は途中で何回か砂の中に潜る。伏流水…湧き水として姿を現すときは、砂に「浄化」され、「ミネラル」を含んだ水になっていると言われている。ガンジス川の水は腐らない。沐浴し、口をうがいする程度なら、全然問題ない「聖なる水」、と言うのが大勢の考え方である。もう2,000年以上続いているガンジス川信仰、それを変えるのは至難の業だろう。

ガンジス川イルカ、数千年ガンジス川に生息しているのだろう。大腸菌に対し免疫力が備わっているかも知れない。イルカにとり大腸菌は害となる菌ではないのかも知れない。

だが、近代の汚染は従来の自然汚染とは違う。化学物質による汚染は自然界の大敵になる可能性が大きい。水はインドの最重要貴重品である。頑固なヒンズー教徒、理屈好きな国民性、まずは、化学物質による汚染の危険性を前面に出し、排水処理設備設置を進めることが急務だろう。ガンジス川の水が清いかどうかを話し合っても、宗教感や生活慣習は変えるのは難しい。時間がかかる。「人為的な化学物質による汚染」を「科学的」に説き、頑固者を説き伏せるしかあるまい。

ガンジス川イルカの保護・保全の為にも…
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徒然愚思

Author:徒然愚思
在インド9年、在シンガポール4年、中国放浪の旅1年…、
主食は酒、酒の肴は煙草、65歳過ぎて、未だふわふわ漂う‘はぐれ雲’人生…。

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